2019年5月8日水曜日

VFD単管時計 のフィラメント電源

先週末の Maker Faire Kyoto 2019 では、Ichigo Project チーム伊勢 の展示にも多くの方にお越しいただきありがとうございました。といっても、私は1日目は田植えで2日目昼以降のみの参加でした。(しかもほとんど展示場所にいないという・・・)


おかげさまでVFD単管時計も準備した10台を完売しました。多くの方に興味を持っていただき本当にありがとうございました。
jig.jp代表の福野さんにも購入いただき、早速IchigoJamのディスプレイとしていろいろ試していただいています。https://fukuno.jig.jp/2479

今回のVFD単管時計、構想は以前からあったのですが結局準備を始めたのが4月半ばになってしまい、突貫工事で何とか間に合ったというところでした。
Kyotoまでに形にするのが精一杯でしたので、ここで改めてVFD単管時計の動作条件についての確認をしたいと思います。。。(^_^;)

まずは蛍光表示管の動作原理からおさらい。
下図はノリタケ伊勢電子(旧伊勢電子工業)のHPから引用させていただきました。

蛍光表示管の動作原理

真空中でカソードから放出された電子がグリッドとアノードのプラス電位で加速されアノード上の蛍光体が光ります。カソード(フィラメント)は、細いタングステンの芯線に電子の出やすい材料がコートされており、これに電流を流し高温にすることで熱電子が放出されます。フィラメントをDC電源で使うと場所による電位差により明るさの差が出るので、フィラメントにはAC電源を使うのが一般的です。(参考情報)

今回販売のVFD時計では4本のVFDのフィラメントを直列につないでDC電源で使用しています。フィラメント電源はVcc(5V)を抵抗(R2,3)で約3.1V(規格値0.78Vx4)に調整しています。原理的にはVFD4(前から見て左端)が明るくなりますが、実用上の問題はないと判断しました。(アノード電圧は約27V、グリッド電圧は約23Vになっています)

回路図をよく見ると、F1,F2という端子があります。これは制御ボード側からフィラメント専用の電源を供給できるように準備した端子です。販売品の仕様から少し改造をして、この端子を使った動作実験をしてみました。

R2,R3削除 J5,J4ショート
R3,R5に抵抗12Ω追加
VFDボードはR2,R3を取り外し、J5,J4をショートしてフィラメントをF1,F2端子に接続。制御ボードはR3,R5に抵抗12Ωを追加してF1,F2から電源が供給できるように変更。
これにより、モータードライバから出力された+5Vの反転出力が抵抗で電圧調整されてフィラメント電源になります。
変更後のF1,F2端子とGND間のオシロ波形です。


F1,F2端子間のオシロ波形です。


これでプラス側とGND側が左右で反転するフィラメント電源になります。
VFD個々の輝度差もあり見た目は大きく変わりませんが、原理的に左右輝度差のない使いかたになり、気持ち的にはスッキリします。今後のVFD単管時計はこの方式を標準にしようかと思っています。

VFDボードは今回の制御ボードと切り離して、別のホストから制御することもできます。今回のようなフィラメント電源が準備できない場合は、Vccからのフィラメント駆動も手軽で便利な方法ですので、その時の状況により使い分ければよいかと思います。

以上製作者の自己満足の世界とも言えますが、ご参考まで。

1 件のコメント:

  1. vfd-funさん、おはようございます。
    vfd-funさんの昔のネタを引用し、M5Stackへ移植しました。
    URL先の公開記事に動画も添えましたので、よろしくお願いいたします!

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