2019年9月22日日曜日

VFD単管時計Ver.2(10/19,1/14情報追記)

Maker Faire Kyoto 2019 で紹介のVFD単管時計VF1904の改訂版(Ver.2)VF1905を製作しました。
9/22伊勢市内某所で行われた中学校の「還暦同窓会」で一般初公開しました(^_^)


外観や基本機能は旧版とほぼ同じですが、以下の変更をして機能アップしています。
・マイコンとのポート接続を見直し
 (旧版ではあまり深く考えずにポート接続していましたので見直しました)
  シリアルポートからのマイコンとの通信が可能(PCからの時刻合わせなど)
  アナログポートから輝度調整が可能
・CdSの追加で外光に応じた輝度調整機能を追加

VFDボード(VF1905)接続図

フィラメント電圧の調整用抵抗を制御ボードからVFDボード側に移動しました。
フィラメント電源はF1,F2の5V反転入力を使い左右輝度傾斜を抑えます。
各VFDのグリッド端子に抵抗パターンを追加し、輝度調整ができるようにしました。
(通常はジャンパーショートで使用し、必要時に抵抗で調整します)

電源&制御用マイコンボード (VF1905B)接続図

microUSBコネクタ横の旧版では孔のあったところにCdSを追加しました。
CdSがRTCモジュールのLEDの光の影響を受けてしまうため、LEDの電流制限抵抗を交換してLED輝度を下げています。(これもあまり深く考えていませんでした・・・)

  

2019/09/22公開時の制御プログラム:VF1905B_DGclock02_190922.txt
2020/01/14追記バグ修正プログラム:VF1905B_DGclock02_200113.txt
 注:旧版VF1904には内部接続が異なるため使用できません。

本プログラムの動作:(①②は旧版VF1904と同様です)
microUSBコネクタにDC5Vを供給すると時分表示モードでスタートします。
SW3を押して離すと①時分表示モード②分秒表示モードが切り替わります。
①時分表示モード
 SW2を押すと「時」が1づつ増加します。
 SW1を押すと「分」が1づつ増加します。
 (表示の減少はできません)
②分秒表示モード
 SW2を押すと「分」が1づつ増加します。
 SW1を押している間「秒」が0になり、離すとカウントを開始します。
 秒が30秒を超えていると分が+1されます。
 誤差が±30秒以内であればSW1のみで時刻合わせができます。
③CdSで周囲の明るさを感知しVFD輝度を調整します。
④シリアルポートからRTCカレンダー時刻設定ができます。
  データ送信フォーマット(BCDコード) 通信速度38400bps
  99h(ヘッダ) YYh(年) MMh(月) DDh(日) WWh(曜) HHh(時) MMh(分) SSh(秒)
  時刻設定ソフト:DGclock_TimeSet_100.zip (2020/01/14追記)
        
※電源を切っても時刻情報はRTCモジュールのボタン電池で保持されます。
 電源ON時に時刻が大きく変わる場合はボタン電池CR2032を交換してください。


プリント基板は部品がむき出しのため長期使用でのホコリが気になってましたが、100均でちょうどよいサイズのケースを見つけました。(クリアキューブ70
頒布時のパッケージ(紙箱)とほぼ同じサイズです。
サイズは見事にピッタリなのですが電源用microUSBケーブルを差し込むと入りません。
ということで、ケースのケーブル部分を切削加工しました。


少し手間はかかりますが、結構いい感じに仕上がりました。
今後イベントなどで頒布の機会があれば、できればこのケースも準備したいと思います。

(順次情報追加予定です)

2019年5月8日水曜日

VFD単管時計 のフィラメント電源

先週末の Maker Faire Kyoto 2019 では、Ichigo Project チーム伊勢 の展示にも多くの方にお越しいただきありがとうございました。といっても、私は1日目は田植えで2日目昼以降のみの参加でした。(しかもほとんど展示場所にいないという・・・)


おかげさまでVFD単管時計も準備した10台を完売しました。多くの方に興味を持っていただき本当にありがとうございました。
jig.jp代表の福野さんにも購入いただき、早速IchigoJamのディスプレイとしていろいろ試していただいています。https://fukuno.jig.jp/2479

今回のVFD単管時計、構想は以前からあったのですが結局準備を始めたのが4月半ばになってしまい、突貫工事で何とか間に合ったというところでした。
Kyotoまでに形にするのが精一杯でしたので、ここで改めてVFD単管時計の動作条件についての確認をしたいと思います。。。(^_^;)

まずは蛍光表示管の動作原理からおさらい。
下図はノリタケ伊勢電子(旧伊勢電子工業)のHPから引用させていただきました。

蛍光表示管の動作原理

真空中でカソードから放出された電子がグリッドとアノードのプラス電位で加速されアノード上の蛍光体が光ります。カソード(フィラメント)は、細いタングステンの芯線に電子の出やすい材料がコートされており、これに電流を流し高温にすることで熱電子が放出されます。フィラメントをDC電源で使うと場所による電位差により明るさの差が出るので、フィラメントにはAC電源を使うのが一般的です。(参考情報)

今回販売のVFD時計では4本のVFDのフィラメントを直列につないでDC電源で使用しています。フィラメント電源はVcc(5V)を抵抗(R2,3)で約3.1V(規格値0.78Vx4)に調整しています。原理的にはVFD4(前から見て左端)が明るくなりますが、実用上の問題はないと判断しました。(アノード電圧は約27V、グリッド電圧は約23Vになっています)

回路図をよく見ると、F1,F2という端子があります。これは制御ボード側からフィラメント専用の電源を供給できるように準備した端子です。販売品の仕様から少し改造をして、この端子を使った動作実験をしてみました。

R2,R3削除 J5,J4ショート
R3,R5に抵抗12Ω追加
VFDボードはR2,R3を取り外し、J5,J4をショートしてフィラメントをF1,F2端子に接続。制御ボードはR3,R5に抵抗12Ωを追加してF1,F2から電源が供給できるように変更。
これにより、モータードライバから出力された+5Vの反転出力が抵抗で電圧調整されてフィラメント電源になります。
変更後のF1,F2端子とGND間のオシロ波形です。


F1,F2端子間のオシロ波形です。


これでプラス側とGND側が左右で反転するフィラメント電源になります。
VFD個々の輝度差もあり見た目は大きく変わりませんが、原理的に左右輝度差のない使いかたになり、気持ち的にはスッキリします。今後のVFD単管時計はこの方式を標準にしようかと思っています。

VFDボードは今回の制御ボードと切り離して、別のホストから制御することもできます。今回のようなフィラメント電源が準備できない場合は、Vccからのフィラメント駆動も手軽で便利な方法ですので、その時の状況により使い分ければよいかと思います。

以上製作者の自己満足の世界とも言えますが、ご参考まで。

2019年5月3日金曜日

VFD単管時計

1970年代に製造されたVFD単管DG12H1(伊勢電子工業製)を4本使って時計を作りました。



5月4~5日に開催される Maker Faire Kyoto の Ichigo Project チーム伊勢 ブースで展示します。
何台か準備できましたのでご希望の方に販売いたしますが、下記ご了承ください。
古いVFDの点灯実験を目的とした実験用時計のため、市販の家電製品のような信頼性や安全性を保証するものではありません。使用者ご自身の判断にて安全なご利用をお願いいたします。各VFDの輝度差や取付のばらつきなども「味」としてご理解をいただけるとありがたいです。

正面、上、背面から見た写真
ドライバー搭載のVFDボード、電源&制御用マイコンボード、市販RTCモジュールの構成で、それぞれ単体でも利用可能です。


VFDボード 接続図
μPD16326Aは、32ビットの双方向シフト・レジスタ,ラッチ回路,および高耐圧CMOSのドライバ部で構成される蛍光表示管用ドライバです。スタティック駆動のためちちらつきのない表示が可能です。フィラメントはVFD4本を直列接続し、Vcc(5V)から抵抗で電圧調節しています。
     蛍光表示管用ドライバμPD16326A

電源&制御用マイコンボード 接続図
VFD表示用電源(VDD2)はマイコンのPWM出力とモータードライバを組み合わせた倍電圧整流で約27Vを出力します。スタティック駆動としては高めのため、グリッド電圧はVFDボード上の抵抗で約23Vに調整しています。
マイコンATmega328P-AUにはArduinoUno相当のブートローダ書込み済みで、市販のUSBシリアル変換ボードなどを使用してCN2からプログラムの書き込みができます。

プログラム書き込み

Maker Faire Kyoto 出展時登録プログラム:VF1904B_DGclock01_190502.txt

本プログラムの動作:
microUSBコネクタにDC5Vを供給すると時分表示モードでスタートします。
SW3を押して離すと①時分表示モード②分秒表示モードが切り替わります。
①時分表示モード
 SW2を押すと「時」が1づつ増加します。
 SW1を押すと「分」が1づつ増加します。
 (表示の減少はできません)
②分秒表示モード
 SW2を押すと「分」が1づつ増加します。
 SW1を押している間「秒」が0になり、離すとカウントを開始します。
 秒が30秒を超えていると分が+1されます。
 誤差が±30秒以内であればSW1のみで時刻合わせができます。

応用編:
VFDボードはコネクタで接続して複数台を連結して使用することができます。
下の写真は2台を連結してCL-VFDモジュールから制御している事例です。VDD2もCL-VFD内の電源を利用しています。実験用にVFDボードのみをご希望の場合はお問い合わせください。

2台連結
CL-VFDモジュールと組み合わせた例